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ヤスミン・アフマド監督『タレンタイム〜優しい歌』言葉や思考はいつも現実を切り分け、分類し、あちらとこちらに分けようとするけれども、人を感じる想い、衝動はその分類の枠を飲み込み、あふれ出させて行為へと至らせる、そのエネルギーは人に想いを伝えるための手段としての音楽を、踊りを生み出し、分類するための、ではない言葉を生み出し、言葉を持たない者は手話によって、その想いをあふれ出させる、誰も止められる者はなく、その想いは放射し続け、誰かの想いをまたあふれ出させ、行為へと至らせ、言葉によって切り分けられていた世界はもともとひとつであったことを、境い目などなかったことを、あなた、も、わたし、もなかったことを、あるのは流れゆくエネルギー、それだけだったのかもしれない、そのことをただひたすらに放射して、誰かに伝え続け、行為を起こし続ける、それが幸せな世界、や平和な世界、を実現する手段かもしれない、とそんなことを後から感じたけれども、観ているときはひたすら笑い、よく泣いた、最高な作品でした。